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第1章 巴の憂鬱

自分でどうこう…出来ないから…
だから…憂鬱になってしまって居るのかも？？

『てるてる坊主でも作りますか？』

「てるてる坊主……懐かしい…、
昔…遠足の前の日に…作った…りした」

てるてる坊主に…そんな力が
あるとは思えないけど、
鰯の頭も信心からって昔から言うし。
お天気って言う自分では
どうしようもない…物に対して
自分に出来る事がない無力感から…は。

てるてる坊主を作れば……、
なんかしたって言う…気分は
ちょっとは味わえそうな気がして。

「うん、そうだね…作ろうかな……」

『じゃあ、準備しましょうか…』

家の中にあるもので…、てるてる坊主を
作るのに必要な物をかき集めて
リビングのソファの前の
テーブルの上に集めた。
タコ糸は…家で前にブロック肉が
安かった時に使った
あの太目の…タコ糸があったので。
キッチンの引き出しの中から
残ってる分を…持ってテーブルの上に置いた。

『タコ糸…無いなって思ってたら、
キッチンにタコ糸あったんですか？』

「うん、豚肉を縛るやつだけどね…」

『豚を縛る？？』

私の言葉を変な方向に勘違いを
してそうな旦那さんの言葉に
チャーシューを作る時に
煮崩れを防ぐために縛るのだと
キッチンにタコ糸があった理由を説明して。

『確かに、この糸じゃ…長さも
中途半端にしかありませんし。
タコは飛ばせませんもんね…太い糸ですし』

「後、これ…使えそうかな…って
ウエルカムスペースを…
飾る物を作る時に…使ったパーツの
残りの…キラキラのシールとか…
パーツとか…リボンとか…そんなの…」

英文が印刷された包装紙とか
花柄の包装紙とか…、
可愛いリボンとか色々と…
デコパーツみたいなのとか…
ネイルアートに使うキラキラとか…
ウエルカムスペースに飾る
額縁とかフレームとか…を
装飾して飾り付けるのに
使ったアイテム…で使わなかったのとか
沢山…可愛いなって思って
ネットとか文房具屋で買ったりしたから…。

可愛いなって思ったら…ついつい…
買ってしまっていて…。当然
全部使えるって訳じゃないから…
使わなかったやつとかもあったりとか。

そんな…使い道のない…アイテムを
使って…可愛いてるてる坊主を
旦那さんと一緒に沢山作って。