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第6章 ラ・スイートの特別な部屋

運ばれて来た
ガラスの四角いプレートには
可愛いサイズのホールケーキと
周囲には飾り切りをした
フルーツが沢山並べられていて。

大きめのサイズのプレートみたいな
ガラスのお皿にはチョコペンで
私達の下の名前と日付、
末永くお幸せに的な意味の
メッセージが書かれている。

今日ぐらいはって言うけど…さっき
鉄板焼きでお肉食べちゃったし…。
オプションでフォアグラの
ステーキも食べちゃったし…
ちゃっかりデザートプレートも
食べちゃったしって思いつつ。

『アニバーサリープランみたいな
プランで予約したんで、
プランの特典みたいな物ですよ…
ボトルのシャンパンもついて来るんで
シャンパン開けちゃいましょうよ』

そう言って冷蔵庫の中に冷えている
可愛いハーフボトルのシャンパンを
彼が出して来ると、備え付けの
グラスを出して来て。

お湯張りをしているのを待つ間に
アニバーサリープランの
特典なのかオプションなのか…の
可愛いサイズのケーキと、
カットされたフルーツを食べながら
シャンパンで乾杯をして飲んで。

『本当は…これを…そこのテラスで
神戸の夜景観ながら…食べたり
飲んだりとかしたかったんですけどねぇ…』

このお部屋のテラスは広いから
デッキチェアみたいなチェアと
ラタンのテーブルセットが置いてあって。
そこで…神戸のベイサイドの景色を
２人占めしながら…シャンパンに
神戸の夜景を溶かしたかったのだそうで…。

今日のお天気を残念がっていたんだけど。

「オーシャンプレイスの時は
お天気だと良いね…、結婚式」

『そうですね、そうですよ。巴
僕達はもう１回結婚式をするチャンスが
ありますもんね。そっちがお天気に
なってくれる事を祈るしかありませんね。
バスタオルか何かで
超特大のてるてる坊主作りましょうよ』

４月にアトアとオーシャンプレイスでの
結婚式の事を彼が言って来て。
いつも元気な彼も…大事な日に
雨に降られちゃって…ちょっとしょんぼり
しちゃってたけど、元気になってくれて
こっちも…チャンスがもう１回あるんだって
そう思ったら。落ち込んでいた気分が
楽になった感じがして…。