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第38章 少女の魅力

翌朝起床すると梨果が先に起きて洗濯をしてくれていた。

「おはよう梨果。洗濯、すまないね。」

「おはよう。洗剤の残りが少ないかも。」

「今日スーパー行くから買ってくるよ。」


私は台所に入り朝食を作る。妻がいない朝はたいがい和食だ。

梨果と友也を学校へ送り出すと家の掃除を済ませてピアノ業者の到着を待った。


ピピピピピピ……

「わわっ！」

買ったばかりの携帯電話が鳴って驚く。
二つ折りの画面を開くと着信は真田氏からだった。

「はい。」

「真田です。この間撮った写真を現像したよ。なかなか良く撮れてるから時間ある時にでも来てください。」

「ああ、そうでしたか。連絡ありがとうございます。」


電話を切ると門前にトラックが横付けされた。

梨果の実家からアップライトピアノが運ばれ、クレーン車で二階の梨果の部屋に設置された。

「設置終了しました。調律師が午後に参りますのでよろしくお願いします。」

「承知しました。ご苦労様でした。」


冷蔵庫の残り物で昼食を作って食べる。

午後一番でピアノ調律師がやってきて、運搬で音の狂った梨果のピアノを調律してくれた。

「442で調律しました。何かございましたらこちらにご連絡ください。」

「わかりました。ありがとうございました。」


米を研ぎ炊飯器をセットすると戸締まりをして都心に出向き仕事を納めた。