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第53章 梨果と美幸、友也と奏音

「みんな私の部屋に来て！美月と私でお祝いの演奏をしてあげる。」

食事が落ち着いたところで梨果がそう切り出した。美月のフルートと梨果のピアノのアンサンブルを聴かせてくれるらしい。

アラジンの“ホール・ニュー・ワールド”だった。

正に恋人同士にぴったりの曲だった。

パチパチパチパチパチパチ

「ありがとう美月、梨果。素晴らしかった。」

奏音が目を潤ませていた。

「美月が天才なだけだよー」

たしかに美月の演奏はいつもの“ぽーっ”とした雰囲気から想像が出来ないほど素晴らしい演奏だった。