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臨時ヌードモデル~梨果14歳の一年~
第101章 父の裸婦画
先に三階のアトリエへ行くと私のヌードが描かれているであろう大きなキャンバスに布が掛けられていた。

(お父さんってば……もったいぶって。)

私は敢えて覗かずに父を待った。


「おまたせ。」

コーヒーカップを2つ持った父がアトリエへやってきた。

「お父さんもったいぶって布なんか掛けちゃって、早く見せてよー」

「え?あぁ……まあ丹精込めて描いたんだから少しはもったいぶってもいいだろう?」

私にコーヒーを渡してくれた。

コーヒーを一口二口飲んだ。父もコーヒーを口にしながら無言で心なしか緊張しているようだった。

「お父さん。」

「ん?」

「まだ?」

「あ……ああ。」

父はコーヒーカップを置いて立ち上がるとイーゼルに立てられた80号はあろう大きなキャンバスに掛かる布に手をかけた。

「……じゃあいくよ?」

「う……うん。」

父の緊張が乗り移る。
そしてそっと捲れた布から“私の分身”が現れた。

「わあぁ!凄い……てか私だね。」

「そ、そうだね……」

「裸だね……」

「そ、そうだね……」

自身の作品を眺める父を見るとあっという間にズボンの前を膨らませて“ぼっき”していた。

(そっか、絵を布で隠していた理由は別にもったいぶっていた訳じゃなかったのね……)

ただ今の私は父に遠慮しないことにしてる。なのですぐその事に突っ込んだ。

「もお、やだぁお父さん、自分の描いた絵なのにおちんちんおっきくしてー」

「あっ!こら!梨果はそんなとこばかり見て!」

そうすると父も親という体裁を気にしないでくれる。

「うふふ……」
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