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テレクラ
第17章 第十七話
 亡き父の跡を継いで早一年。原田クリニック二代目院長の原田は、一晩寝てないが、普段通りの業務をしてから昼寝もせず絵梨花と別れて日常業務に励んだ。今日も絵梨花と逢えるかもしれない。夕方にスマホを見た。メッセージが届いていた。

 『ゴメンなさい。今日英雄さんと逢えません。もしかしたらこれからも』

 連絡してくれただけありがたいのか、たった一日でなにがあったのだろう。テレクラでしりあった娘は現状で満足しない。いい人と出逢ったら、この人よりいい人をではなくいい。人がいるかも。ぜったいにいる。次から次にあたらしい相手を求める傾向がある。それは令和の時代でもおなじかもしれない。覚悟していたのが、たった一日で。まさかだ。昨夜、処女を奪った美少女の絵梨花。テレクラで逢う娘なら見た目も性格も最高ランクでパーフェクト。誰もがちやほやするレベルの女子校生だから仕方ないというよりあたりまえなのだが。

 でも『わかった』と、理由を確認することなく返信したら、すぐにメッセージの番号からの着信。絵梨花からだ。でた。

 「わかったってなんなんですか。今日逢う約束してましたよね。それで逢えなくなりました。それでわかった。なんですかそれ」逢えないと連絡してきたのはだれだ。いわずに。
 「もちろん逢いたいけど。」
 「なんですか、それ意味がわかりません」テレクラで知り合って関係を持った男女。男は中年オヤジ。女は女子校生。逢う逢わないの選択権は女子校生だ。
 「逢えない。そう連絡してきた。だからそれはホントに逢えないだろう。そう思った。だからわかったって返信した」
 「それは」
 「逢えない理由はなにかがあったのかもしれないけど。それを自分で決めないでふたりで話をして選択する。ダメか」
 「それは」
 「今から昨日待ち合わせた場所に行く。逢えないなら仕方ない。でも逢えるなら、なんで今日逢えないのか訊きたい昨日の場所に行ったら電話する」原田は返事を聞かずに電話を切った。

 すぐに絵梨花からの折り返しの着信。原田は無視して車を走らせる。昨日絵梨花と待ち合わせした場所まで車で約30十分。ついてスマホを見たら絵梨花からの着信は五十回以上あった。昨日とおなじコインパーキングに車を停めたタイミングで絵梨花が現れる。待ってくれていたようだ。
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