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愛の笛
第11章 葉子との再会
「あなた…」
「おじいちゃん…」
二人の女が老人の体を揺り動かすが、
老人は気持ち良さそうに高いびきをかいて起きようともしない。
「寝たわ…」
老人が酔いつぶれるのと同時に二人の女の動きが加速する。
孫娘のサーシャはイソイソと庭の井戸で体を清め始めた。
ビアンカは亭主の体を抱き起こして寝室に連れていこうと悪戦苦闘し始める。
ほら、寝室にいくわよ
こんなところで寝ないで頂戴。
フランス語で早口に喋るものだから聞き取れないけれど、
おそらく女房が酔いつぶれた旦那にかける言葉って全国共通だと思うので、多分、そんなことを言っているのだろうと推測された。
「あ、運ぶの手伝いますよ」
作業で鍛えた筋肉自慢を披露するかのように
軽々と主を担ぎ上げた。
「ありがとう、こっちに運んで頂戴」
ビアンカに手招きされるがままに、老人を寝室に連れてゆく。
ここに寝かせて頂戴
彼女は二組のベッドの一つを指を差した。
少々手荒にベッドに寝かせても、彼は起きる気配がなかった。
「ありがとう、助かったわ」
そう言うとビアンカは草薙に抱きついてきた。
「えっ?ちょ、ちょっと奥さん!」
酔いつぶれて爆睡しているとはいえ、
ご主人がすぐそばで寝ているのに大胆にもビアンカは草薙にキスをしてくる。
「あの夜…あなたは先に孫娘のサーシャを抱いたけど、
今夜は先に私がいただくわ」
聞き取りにくかったけれど、なんとか「先にいただく」という言葉だけは理解した。
「先に頂くって…?」
「これに決まってるじゃない」
ビアンカは草薙の股間に手を持って行き、
まだ勃起もしていないペニスを揉み始めた。
「ダメです!いけませんよ!」
酔いつぶれて爆睡しているとは言え、
隣にご主人が寝ているというのにこの場でセックスなんて出来るはずがない。
おまけに「おばあちゃん?草薙さんはそこにいるの?」と
孫娘のサーシャが部屋のドアをノックしてきた。
「ええ、ここにいるの、おじいちゃんったら起き出して、また草薙さんと飲み直そうってきかないのよ…
だから、あなたは先に休んでなさい」
「わかったわ…」
草薙とのセックスを目論んでいたサーシャは落胆の声を漏らして立ち去った。
「今夜は私が先にいただくって決めたんだから!」
そう言ってビアンカは豊満な体を草薙にぶつけてきた。

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