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誰にも言えない、紗也香先生
第3章 謎の女、ファンタシーの扉

立ったまま、リザに包まれた私は、触れ合う体温の中で旅立ちの扉をそっと開けられたような気がした。
舌と舌がそっと重なり、柔らかな熱が私の中でとろけていく。まるで夢の入り口で手を引かれているかのよう——甘く、静かに、逃れられない予感。
耳たぶに、首筋に、鎖骨に。
リザの唇が、愛おしむように地図をなぞっていく。まるで、私という名の世界を記憶に刻むように。
そのひとつひとつが、熱を持ち、私の肌はひそやかに呼吸を始める。
思わず漏れる甘い吐息。
ピンヒールが床を叩くリズムが、鼓動と溶けあって、部屋に静かに響く。
それだけが、この世界の現実をつなぎとめていた。
彼女の指先は、まるで春の風に導かれて舞い降りる蝶のように優しく、しかし確かに私の奥へと舞い込んでくる。
目を閉じ、両手を縛られたままの私は、
視界ではなく、言葉ではなく、
心と身体そのもので、リザの想いを受け取っていた。
私は今、蝶になる直前の、夢見る蛹。
柔らかな幻想の中で、羽化の瞬間を迎えるような──
ひとしずくの熱と共に、内なる世界の扉が開かれた。
(私という存在は、いま──変わっていく)
舌と舌がそっと重なり、柔らかな熱が私の中でとろけていく。まるで夢の入り口で手を引かれているかのよう——甘く、静かに、逃れられない予感。
耳たぶに、首筋に、鎖骨に。
リザの唇が、愛おしむように地図をなぞっていく。まるで、私という名の世界を記憶に刻むように。
そのひとつひとつが、熱を持ち、私の肌はひそやかに呼吸を始める。
思わず漏れる甘い吐息。
ピンヒールが床を叩くリズムが、鼓動と溶けあって、部屋に静かに響く。
それだけが、この世界の現実をつなぎとめていた。
彼女の指先は、まるで春の風に導かれて舞い降りる蝶のように優しく、しかし確かに私の奥へと舞い込んでくる。
目を閉じ、両手を縛られたままの私は、
視界ではなく、言葉ではなく、
心と身体そのもので、リザの想いを受け取っていた。
私は今、蝶になる直前の、夢見る蛹。
柔らかな幻想の中で、羽化の瞬間を迎えるような──
ひとしずくの熱と共に、内なる世界の扉が開かれた。
(私という存在は、いま──変わっていく)

