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誰にも言えない、紗也香先生
第3章 謎の女、ファンタシーの扉

帰りの電車。
人混みに包まれた車内で、私はじっと自分の世界に潜り込む。
揺れるたび、スカートの奥――“サヤ”の花が、こっそりと一滴の蜜をこぼした。
(うそ……やだ、電車の中なのに)
脚をそっと擦り合わせ、火照りを誤魔化すように膝を閉じた。
(バレない、バレない……誰も、気づかない)
夕暮れのアパートに戻り、夕飯を済ませたころ。
リザからメッセージが届いた。
「今日の“サヤ”はとても良かった。次の試練に進みましょう」
その文のあとに、ひとつの指示。
――コートとチョーカーだけ。
そして、アパート近くの小さな公園へ。深夜0時に。
(え……それって、まさか……本当に、裸のまま?)
思わずスマホを持った手が震えた。
コードの下に何も着ないまま、外に出るなんて。
考えただけで、体の奥から熱がせり上がる。
(でも……リザは、私を見てる。見抜いてる)
まだ通行人の多い時間帯だった。私は、ギリギリまで部屋にいた。
時計の針が、夜中の十二時を指したとき、
静かに立ち上がり、黒のピンヒールに足を滑り込ませた。
鏡の前で、最後に自分を映す。
黒いコートの中に、何も纏っていない私。
首には、青のチョーカー。
そして――家の鍵。
チョーカーのリングに繋がれた、銀の細いチェーンの先に揺れている。
部屋のドアをそっと閉め、私は誰にも気づかれないように
闇の中へと溶けていった。
人気のない公園の入り口。
公衆トイレの前に立った瞬間、心臓が一気に跳ねる。
(ほんとに来ちゃった……私、なにしてるの……?)
でも、その胸の奥にあるのは――恐れより、甘い予感。
人混みに包まれた車内で、私はじっと自分の世界に潜り込む。
揺れるたび、スカートの奥――“サヤ”の花が、こっそりと一滴の蜜をこぼした。
(うそ……やだ、電車の中なのに)
脚をそっと擦り合わせ、火照りを誤魔化すように膝を閉じた。
(バレない、バレない……誰も、気づかない)
夕暮れのアパートに戻り、夕飯を済ませたころ。
リザからメッセージが届いた。
「今日の“サヤ”はとても良かった。次の試練に進みましょう」
その文のあとに、ひとつの指示。
――コートとチョーカーだけ。
そして、アパート近くの小さな公園へ。深夜0時に。
(え……それって、まさか……本当に、裸のまま?)
思わずスマホを持った手が震えた。
コードの下に何も着ないまま、外に出るなんて。
考えただけで、体の奥から熱がせり上がる。
(でも……リザは、私を見てる。見抜いてる)
まだ通行人の多い時間帯だった。私は、ギリギリまで部屋にいた。
時計の針が、夜中の十二時を指したとき、
静かに立ち上がり、黒のピンヒールに足を滑り込ませた。
鏡の前で、最後に自分を映す。
黒いコートの中に、何も纏っていない私。
首には、青のチョーカー。
そして――家の鍵。
チョーカーのリングに繋がれた、銀の細いチェーンの先に揺れている。
部屋のドアをそっと閉め、私は誰にも気づかれないように
闇の中へと溶けていった。
人気のない公園の入り口。
公衆トイレの前に立った瞬間、心臓が一気に跳ねる。
(ほんとに来ちゃった……私、なにしてるの……?)
でも、その胸の奥にあるのは――恐れより、甘い予感。

