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誰にも言えない、紗也香先生
第3章 謎の女、ファンタシーの扉

その夜、リザと別れるはずだった駅前に、黒塗りのハイヤーが静かに滑り込んできた。
運転手が何も言わずドアを開けると、リザがにっこりと笑って私の手を取った。
「ちょっとだけ、寄り道しない?」
頷いた私は、そのまま連れて行かれるように車に乗り込んだ。
***
夜の川沿い。対岸に広がる都会の灯りは、
まるで無数の宝石のようにきらめいている。
それとは対照的に、こちら側の森はひっそりと静かで、
川面に反射した月明かりが私たちの足元を照らしていた。
「ね、ロマンチックでしょ?」と、リザがいたずらっぽく私を見る。
二人で並んで腰かけたベンチ。
水のせせらぎ、風に揺れる木々、時折通る遠い電車の音――
そして、そっと重ねられた唇の音だけが、夜の静寂に溶けていった。
「……脱ごうか?」
いきなりリザがそんなことを言うものだから、私はむせかえりそうになった。
「えっ、えっ、ここで?だ、だめ……」
焦る私の返事を待つ前に、彼女はするすると服を脱ぎ、なんと、バンプス以外なにも――!
「ちょっと待ってってばっ!」
思わず声を上げると、彼女は笑いながら言った。
「じゃあ、サヤもおいで。ほら、お揃いよ?」
なぜか私も、魔法にかけられたように、同じように――。
風が肌を撫でると、恥ずかしさの奥から、何か自由なものが溢れてくる。
二人で肩を寄せ合いながら、そっと草の上を歩いた。
まるで天使の羽根をそっと隠したまま、夜の森を散歩するみたいに。
足元に広がる川面の輝きが、私たちの姿を銀の影として映し出していた。
「……なんか変な夢みたい」
「夢かもね。でも、これはあなたが選んだ夢よ」
リザのその一言に、私は胸をぎゅっと掴まれた気がした。
(ほんとうに、私……変わってきた)
運転手が何も言わずドアを開けると、リザがにっこりと笑って私の手を取った。
「ちょっとだけ、寄り道しない?」
頷いた私は、そのまま連れて行かれるように車に乗り込んだ。
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夜の川沿い。対岸に広がる都会の灯りは、
まるで無数の宝石のようにきらめいている。
それとは対照的に、こちら側の森はひっそりと静かで、
川面に反射した月明かりが私たちの足元を照らしていた。
「ね、ロマンチックでしょ?」と、リザがいたずらっぽく私を見る。
二人で並んで腰かけたベンチ。
水のせせらぎ、風に揺れる木々、時折通る遠い電車の音――
そして、そっと重ねられた唇の音だけが、夜の静寂に溶けていった。
「……脱ごうか?」
いきなりリザがそんなことを言うものだから、私はむせかえりそうになった。
「えっ、えっ、ここで?だ、だめ……」
焦る私の返事を待つ前に、彼女はするすると服を脱ぎ、なんと、バンプス以外なにも――!
「ちょっと待ってってばっ!」
思わず声を上げると、彼女は笑いながら言った。
「じゃあ、サヤもおいで。ほら、お揃いよ?」
なぜか私も、魔法にかけられたように、同じように――。
風が肌を撫でると、恥ずかしさの奥から、何か自由なものが溢れてくる。
二人で肩を寄せ合いながら、そっと草の上を歩いた。
まるで天使の羽根をそっと隠したまま、夜の森を散歩するみたいに。
足元に広がる川面の輝きが、私たちの姿を銀の影として映し出していた。
「……なんか変な夢みたい」
「夢かもね。でも、これはあなたが選んだ夢よ」
リザのその一言に、私は胸をぎゅっと掴まれた気がした。
(ほんとうに、私……変わってきた)

