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誰にも言えない、紗也香先生
第4章 彼の初めての「答え」
白く淡い朝の光が、カーテンの隙間から差し込んでいた。
私は彼の白いシャツだけを羽織り、静かなキッチンで簡単な朝ごはんを整える。
ローテーブルの上に湯気の立つマグカップとトースト。
勇くんはまだ、毛布の中で眠っていた。

その寝顔があまりにも無防備で、心の奥がくすぐられる。
声ではなく、もっと静かな方法で起こしたくて、そっと彼に近づいた。
頬に軽く触れた瞬間、まつ毛がふるえ、彼の目がゆっくりと開く。

「……おはよう、先生」

囁くような声に、胸の奥が温かくなる。
私は猫のように彼の胸に寄り添い、二人だけの、やわらかな朝が始まった。
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