この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
愛染明王の御前で
第3章 第三話
庫裏から本堂へと続く廊下は、初夏だというのに少し寒く感じた。
大きな本堂に日光が遮られているからだろう。
陽がほとんど差し込んでいなかった。
板張りの床も当然のことながら冷たい。
長い廊下を進み、先の引き戸を開けると本堂の左手脇へと出た。
線香の香りと何やら青い香りが梢の嗅覚を刺激した。


本堂は畳部分だけで何十畳あるだろう。
青々とした畳が眩しい。
「わぁ、広い!」
今まで寺院の本堂の中など見たことがなかった梢にとって、その広さに圧倒された。
高い天井は5mや6mではきかない。


「じゃあ、ご本尊様の左右と手前のあたり、今あるところ全てに新しいお花を生けてもらえるかな?」
「は、はい!よ、よろしいのですか?」
「ええ。構いませんよ。たしか、藤野さん。藤野梢さんっておっしゃったかな?いい名前だね」
「は、はい。藤野と申します」
「うん。ご店主から『鍛えてやってください』って言われてるんだ。『できることは何なりとさせてください』って」
「そ、そうでしたか」


きっといつもは店主が生けているのだろう。
配達だけでなくこうした細やかなことをするからこそ、小さな生花店でも使ってくれているのかもしれない、と梢は思った。
/9ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ