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愛染明王の御前で
第4章 第四話

手際よく作業が進み、すんなりと花を生け終えることができた。
梢は「いかがでしょうか?」と住職に伺いを立てる。
「うん。いいじゃないですか。梢さんはセンスがあるね」
褒められて素直に嬉しかったが、いきなり「梢さん」と下の名前で呼ばれ、多少なりとも驚いた。
「とても綺麗に生けていただけて嬉しいね。これならご店主の出番はもうなさそうだ。あっはっはっはっは」
住職はそう言って豪快に笑った。
梢もそれにつられて笑ってしまった。
これで今までの緊張の糸が解れる。
そうなると、女性の敵である、冷えを急に感じ始めた。
廊下の冷たさに本堂の寒さ。
梢は尿意を催した。
そんなことを知ってかしらずか、住職は梢の生けた花のセンスを褒めた。
「そうか、こう生けると綺麗に見えるんだね。僕はどうもこういうセンスがなくってね」
「いえいえ、とんでもありません」
しかし、いきなりトイレのことを口にすることもできず、住職の話を黙って聞くしかなかった。
「うちの御本尊はね…」
梢は「いかがでしょうか?」と住職に伺いを立てる。
「うん。いいじゃないですか。梢さんはセンスがあるね」
褒められて素直に嬉しかったが、いきなり「梢さん」と下の名前で呼ばれ、多少なりとも驚いた。
「とても綺麗に生けていただけて嬉しいね。これならご店主の出番はもうなさそうだ。あっはっはっはっは」
住職はそう言って豪快に笑った。
梢もそれにつられて笑ってしまった。
これで今までの緊張の糸が解れる。
そうなると、女性の敵である、冷えを急に感じ始めた。
廊下の冷たさに本堂の寒さ。
梢は尿意を催した。
そんなことを知ってかしらずか、住職は梢の生けた花のセンスを褒めた。
「そうか、こう生けると綺麗に見えるんだね。僕はどうもこういうセンスがなくってね」
「いえいえ、とんでもありません」
しかし、いきなりトイレのことを口にすることもできず、住職の話を黙って聞くしかなかった。
「うちの御本尊はね…」

