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GWは寝取られシーズン
第1章 夫婦で変態バーの社会科見学
靖子はケンを見つめる。潤んだ瞳は何を意味しているのか。ケンには分からない。

 ケンは靖子を見つめ返すが、その目は靖子がこれから乱れる様子が浮かんでいる。つまり、靖子の事は何も考えられていないのだ。

「奥様が、どうされたいのか、それが一番大事なのですよ」男は、前を歩きながら振り返りもしないが、優しい声で続ける。

「この道を行ったら、どうなっちゃうのかな、戻れるのかな?そんなことを心配されてるのかなと」

「はい、その通りで」

「大丈夫だよ、俺は絶対、ずっと靖子を愛してるから。大丈夫だって」

「う、うん。ケンくん」

夫のケンは、靖子がほかの男に言い寄られて、そして何なら触られたりしている姿を見て興奮したいと思っている。いわゆる寝取られというものだ。そういうことに憧れがある。

 わたしは、今、変態バーへ行く道中で、道案内をされている。わたしが悩んでいるのは、ケンの気持ちが変わらないかどうか、それが心配なんだろうか?それとも・・・。男がまた口を開く。

「もうすぐ、ビルについてしまいます。もしかしたら奥様が心配されてるのは、そんなことじゃないのかもしれませんが・・・。これより先は、後戻りできない故、お二人でどうするか、お決めになられるのがいいと思いますよ」

男は何の変哲もないビルの、何の変哲もないエントランスアプローチの前で立ち止まった。こんなに何の印象もないところに、変態バーが。そう思って、靖子はビルを見上げる。

「こんな一見、ちゃんとした普通のビルに、そんな欲望が渦巻いてるなんて・・・。奥様、そんな感じの表情されてますよ」男は振り返りにこやかに靖子を見つめる。

靖子は見抜かれた、と思った。胸の奥を押される感じ。動悸がする。すこしずつ身体が湿り気を帯び始める。

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