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Memories of 1994 露出少女A
第2章 塾講師
俺は、『マサル学院』の教室長に会った。

「どうした?気が変わったか?」

ぞんざいな言い方は教室長の西本のキャラだった。

「いや、この間、西村先生が辞めるからって来ないかと言われていたことを思い出して」

と、話すと、

「おう、覚えていてくれたか!ここへ来たということは、気が変わったということだよな」

と、確認する西本。

「まあ、そうなんですが、条件を知りたくて」

と、話すと、笑った西本は、何かを取り出した。講座予定表だった。

「これの西村先生のところを全部埋めてくれるなら、月額60万だ。うちが西村先生に払っていた給料をそのまま、渡すよ」

と、どうだ!とばかり満面に自信を貼り付かせて西本は言った。たしかに高額だ。就活の結果、就職が決まっていた一部上場企業の初任給は19万8000円だった。その3倍だ。

悪くはない。しかし、ここは駆け引きだと言い聞かせて、気乗りしない表情を作って見せた。

自信を貼り付けていた西本は慌てた様子で、満面に貼り付けた自信が虚勢であることを露呈した。

「社会の増田先生。どうなんですか?人気がないみたいでしたけど」

と、俺がまったく違う話を振った。国語の話から社会の話へ。

「ま、増田か?」

と、聞く西本。わかっている。西本と増田はできている。増田という社会を教えている人妻講師と教室長の西本は不倫関係で、それを嵩に着て、増田は横柄な態度で、他の講師、特に俺のような学生アルバイトに偉そうにしていた。

子供たちはその辺りは素直だ。好きな先生に偉そうにする先生を嫌うのだ。

俺にもツラく当たることがあった増田。なぜか子供たちには人気のあった俺。そのためか、増田は子供たちから嫌われていた。
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