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Memories of 1994 露出少女A
第2章 塾講師
西本も増田が塾生に人気がなく、結果、保護者からも芳しくない評価しか得られていないことも知っていた。当然、教室長なのだから、情報は上がっているのだから。

「で、何が言いたい?」

駆け引きが苦手な西本。悪い奴じゃない。だから、俺も素直に、

「受講が少なくなっていませんか?塾生に嫌われているみたいですし、保護者からも嫌われていると聞いていますが。なんなら、そっちもやりましょうか?」

と、話をした。西本は慌てていた。多分、塾の上層部から増田に代わる人材を見つけるようにとでも言われていたが、『いない』と断っていたのかもしれない。それが、名乗りを上げるヤツが現れたのだから、慌てるなという方が無理だ。

跳ね付けるか?それとも、塾の上層部、要するに本部に報告するか?跳ね付けて、俺が本部に直接掛け合うようなことになれば、情報隠蔽が露見して、自分の立場が悪くなることは西本もわかっている。かと言って、社会を教えている増田を切れるか?難しいだろう。単なる一講師なら切れるだろうが、不倫関係がある。こちらも、上層部に増田が報告すれば、西本の立場が悪くなることは必至だ。

「わかった。社会も教えたいという要望は本部に伝える。本部からも増田の交代要員を探すように言われていたところだ」

と、隠し事無しで話した西本。不倫関係なのに、切るのか?と思っていると、

「増田が嫌われているのは、俺もわかっていた。とはいえ、本部からの評価を伝えたら、『辞めたくない』と泣きつかれてね。ま、最後は色仕掛けで、俺もバカをやったって感じだ」

と、苦笑いする西本。なるほど、順番は反対だったのか。俺はてっきり不倫関係を盾に威張り散らしていると思っていたが、威張り散らすのは増田の素地で、それで嫌われて泣きついて不倫関係になったということか。真相がわかった気がした。

「ま、気をつけた方がいい。君が社会を教えたいと言っているとわかったら、色仕掛けで来るぜ、あの女」

と、西本は笑った。
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