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アダルトビデオの思い出
第1章 「インディーズ」ビデオ
男がさかんに言う。
「ぼくたち、昼過ぎからずっと撮影のモデルさんを探しているんだけど、全然決まらなくって、」
「今日中に撮影できないと、ホント困るんです。ぼくたち、困っているんです。どうか助けて下さい。人助けだと思って、」
「すぐそばのビジネスホテルに、部屋を取っているんです。そぐそこ、あれ、あのホテル」
「すぐ終わります。時間は30分もかかりませんよ。お願い、お願いだから。」


どんな写真か彼女が聞いている。

「イメージの写真かビデオ。セクシーだから、できれば下着とか。
いえ、服のままでもいいです。
できるとこまででいいです。もちろん謝礼はきっちりお支払いします。」

「ここまでって言ったら、ぼくたち、そこでストップします。約束します。
顔は写さないか、ビデオの場合はモザイクの修正をきっちり入れて、分からないようにします。どうか、助けて下さい」

彼女が、もうビデオ撮っているの?と聞く。

「記録で撮らしてもらっているけど、顔は撮っていません。」
と男が答える。
確かに、カメラのレンズは下を向いている。
彼女の胸から下しか写っていない。
さっき一瞬だけ、顔が写った。しかし、モザイク。
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