この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
火照るあなたの横にある小説
第1章 明かりのむこうに

【余白にひらく】
ふたりは少しずつ、暮らしを寄せ始めた。
書店の閉店後、灯が鍵を閉める音を澪は後ろで待つ。
隣を歩く足音、カップを持つ仕草、
当たり前のように見える一瞬が、どれも愛おしかった。
ある晩、灯は澪をそっと後ろから抱きしめた。
「澪は、どうしてわたしに触れたの?」
「…声が欲しかったから。誰かに、大丈夫って言ってほしかった」
灯の胸に澪の頬が寄せられた。
「わたしは、あなたに触れられて生き返ったの」
その言葉に、灯は澪の手を強く握り返した。
ふたりは少しずつ、暮らしを寄せ始めた。
書店の閉店後、灯が鍵を閉める音を澪は後ろで待つ。
隣を歩く足音、カップを持つ仕草、
当たり前のように見える一瞬が、どれも愛おしかった。
ある晩、灯は澪をそっと後ろから抱きしめた。
「澪は、どうしてわたしに触れたの?」
「…声が欲しかったから。誰かに、大丈夫って言ってほしかった」
灯の胸に澪の頬が寄せられた。
「わたしは、あなたに触れられて生き返ったの」
その言葉に、灯は澪の手を強く握り返した。

