この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
火照るあなたの横にある小説
第2章 触れ合う温度

【指先の距離】
藍の唇が、そっと耳の後ろをなぞった。
その感触は、熱でもないのに肌が火照るようで、千景は思わず目を閉じた。
「だめ……」と声を出したかったのに、喉がふるえて、言葉にならない。
「千景、ほんとはさ……」
藍の声が低く、甘く変わる。
「ずっと、こうしてほしかったんじゃないの?」
指先がシャツの裾から潜り込む。
冷たい手。だけど、熱くなるのは千景の内側だった。
――こんなの、初めて。
誰かに触れられることが、こんなにこわくて、嬉しいなんて。
藍の手が、ゆっくりと胸元へ滑っていく。
そこには恥ずかしいほどの鼓動があって、それを悟られたくないのに、
どうしようもなく反応してしまう自分がいた。
「ねぇ……やめるなら、今のうちだよ?」
藍は、優しさと挑発を混ぜた声で囁く。
だけど、千景は首を振った。
恥ずかしくて仕方なかったけれど、
この胸の高鳴りを誰かに預けたいと思ったのは、初めてだったから。
藍の唇が、そっと耳の後ろをなぞった。
その感触は、熱でもないのに肌が火照るようで、千景は思わず目を閉じた。
「だめ……」と声を出したかったのに、喉がふるえて、言葉にならない。
「千景、ほんとはさ……」
藍の声が低く、甘く変わる。
「ずっと、こうしてほしかったんじゃないの?」
指先がシャツの裾から潜り込む。
冷たい手。だけど、熱くなるのは千景の内側だった。
――こんなの、初めて。
誰かに触れられることが、こんなにこわくて、嬉しいなんて。
藍の手が、ゆっくりと胸元へ滑っていく。
そこには恥ずかしいほどの鼓動があって、それを悟られたくないのに、
どうしようもなく反応してしまう自分がいた。
「ねぇ……やめるなら、今のうちだよ?」
藍は、優しさと挑発を混ぜた声で囁く。
だけど、千景は首を振った。
恥ずかしくて仕方なかったけれど、
この胸の高鳴りを誰かに預けたいと思ったのは、初めてだったから。

