この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
火照るあなたの横にある小説
第2章 触れ合う温度

【夜の輪郭】
藍の指先が、迷いもなく千景の胸元をなぞる。
下着越しに触れるその動きは、まるで相手の奥を探るように静かで、じっくりとしていた。
千景は目を閉じて、藍の吐息と自分の呼吸の違いだけに耳を澄ませた。
どくどくと、胸が脈打つ音。
藍の手が肩紐を落とすたび、服の重さがなくなっていく。
露わになった肌をそっと撫でられるたびに、なにかが内側でほどけていくようだった。
「ほんとに、何も知らないんだね」
藍がそっと笑う。けれど、それは見下すようなものではなかった。
愛おしむような、少し羨ましがるような――不思議な響きだった。
「だったら、初めてはあたしにくれてよ」
千景はうまく言葉を返せず、ただ目を伏せる。
首筋に落とされたキスが、波紋のように感覚を広げていく。
こんなにも、自分の身体が熱くなるなんて知らなかった。
背中に回された手が、そっと下着を外す。
その音すらも、今はくっきりと聞こえる。
自分が誰かの手の中で、ほどかれていくのを、千景は拒むことができなかった。
藍の舌が、鎖骨の窪みをなぞうとした瞬間――
千景は、小さく声を漏らした。
藍の指先が、迷いもなく千景の胸元をなぞる。
下着越しに触れるその動きは、まるで相手の奥を探るように静かで、じっくりとしていた。
千景は目を閉じて、藍の吐息と自分の呼吸の違いだけに耳を澄ませた。
どくどくと、胸が脈打つ音。
藍の手が肩紐を落とすたび、服の重さがなくなっていく。
露わになった肌をそっと撫でられるたびに、なにかが内側でほどけていくようだった。
「ほんとに、何も知らないんだね」
藍がそっと笑う。けれど、それは見下すようなものではなかった。
愛おしむような、少し羨ましがるような――不思議な響きだった。
「だったら、初めてはあたしにくれてよ」
千景はうまく言葉を返せず、ただ目を伏せる。
首筋に落とされたキスが、波紋のように感覚を広げていく。
こんなにも、自分の身体が熱くなるなんて知らなかった。
背中に回された手が、そっと下着を外す。
その音すらも、今はくっきりと聞こえる。
自分が誰かの手の中で、ほどかれていくのを、千景は拒むことができなかった。
藍の舌が、鎖骨の窪みをなぞうとした瞬間――
千景は、小さく声を漏らした。

