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遠い夏の続きを、もう一度
第2章 再会

バスルームの扉が曇りガラスの向こうで閉まり、湯気がゆっくりと満ちていく。
私は、彼女の背中にそっと手を添えた。
その肌は柔らかくて、でもどこか懐かしさを含んだ温度だった。
「お湯、熱くない?」
私の問いに、彼女は首を小さく振る。
肩を寄せてきたその頬が、湯のせいだけではない色を帯びている。
指先が滑る。肩から腕へ、腕から指先へ。
ただ撫でているだけなのに、彼女の息が、少しだけ変わった。
こわごわと触れるのではなく、確かめるように──まるで、心の奥の秘密を開いていくように、私は彼女に触れていた。
「昔、よくこうして、肩を流したよね」
ふと漏れた私の言葉に、彼女はくすっと笑った。
「でも、あのときはまだ……姉妹だった」
ぽつりと呟かれた言葉に、胸がきゅっと締めつけられる。
今も、私たちは姉妹。でも──
彼女が、そっと私の膝に顔を埋める。
「今は、ちょっと違うんだ」
震える声が、お湯の音にまぎれて消える。
私は彼女を抱き寄せた。
腕の中にいる彼女が、すがるように身を寄せてきて、唇がかすかに触れた。
──その瞬間、心がふるえた。
浴室の曇った鏡に、寄り添う二人の姿が映っている。
ほどけた髪。濡れた睫毛。熱を帯びた視線。
言葉よりも確かに伝わる想い。
時間が溶け、境界が消えていく。
私たちは、静かな夜の中で、
ようやく同じ夢を見ていた。
私は、彼女の背中にそっと手を添えた。
その肌は柔らかくて、でもどこか懐かしさを含んだ温度だった。
「お湯、熱くない?」
私の問いに、彼女は首を小さく振る。
肩を寄せてきたその頬が、湯のせいだけではない色を帯びている。
指先が滑る。肩から腕へ、腕から指先へ。
ただ撫でているだけなのに、彼女の息が、少しだけ変わった。
こわごわと触れるのではなく、確かめるように──まるで、心の奥の秘密を開いていくように、私は彼女に触れていた。
「昔、よくこうして、肩を流したよね」
ふと漏れた私の言葉に、彼女はくすっと笑った。
「でも、あのときはまだ……姉妹だった」
ぽつりと呟かれた言葉に、胸がきゅっと締めつけられる。
今も、私たちは姉妹。でも──
彼女が、そっと私の膝に顔を埋める。
「今は、ちょっと違うんだ」
震える声が、お湯の音にまぎれて消える。
私は彼女を抱き寄せた。
腕の中にいる彼女が、すがるように身を寄せてきて、唇がかすかに触れた。
──その瞬間、心がふるえた。
浴室の曇った鏡に、寄り添う二人の姿が映っている。
ほどけた髪。濡れた睫毛。熱を帯びた視線。
言葉よりも確かに伝わる想い。
時間が溶け、境界が消えていく。
私たちは、静かな夜の中で、
ようやく同じ夢を見ていた。

