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レッスンの仕方が間違っている!
第11章 3次審査当日
「椿、今日は心配だから送ってく。」

 抱きしめられたまま起き上がり、そう耳許で囁かれる。

-ドクンドクン・・

 一気に心臓の音が 跳ね上がる。

 確実に当たってる。
 これはバレてるんじゃ……?

「ぁ、あの……功!?」
「何?今日はSじゃないんだな。」
「功の、前だからって……ぃ、いつもじゃない、よっはぁはぁ……離れて、下さい。」

 身体を必死によじるが解放してくれない。

「何で敬語なんだよ、可愛すぎっ……」

 抱きしめる腕に力が入る。

「ぇ、功!?はぁはぁ、僕男……だけど?……ッ離れなきゃ本当に、ヤバぃんだっ、はぅッ!?」

 椿の下半身はびくつき、腰が一瞬浮く。

 握られたし……!!
 ソコはダメだって!

「やっぱり変だから、送らせろよ。」

 言いながら功は顔が赤い。

 自分から触ったくせに……!!
 バレた、理由は絶対言えないけど。

「はぁ、はぁっ、わかっ……た。」

 ヤバい。

「よいしょ。」
「ぇ!?」

 軽々と肩の上に抱えられてしまった。
 体格はほぼ同じにも拘らず。

「何?椿お姫様だっこのがよかったのか??」
「はぁ、はぁ、ち、がぅ……から。早くしなよ……送るんで、しょ?」
「椿、ちょっとあのキャラ発動しそう……ふふっ」
「はぁはぁ、んんっ功、熱ぃ。早く……」

 担がれたままエレベータに乗る。

 人に見られたら、どーしよう。
 身長もあるのに情けないし、恥ずかしい……
 下半身おかしいし。
 しかも功に拾われちゃうとか。
 全部アイツのせいだ。
 次会ったら……いや、もう会いたくないよ。

「はぁーっ」

 担がれながら理性と闘い、嫌なヤツのことを思い出してしまった。
 溜め息を吐いても、乱れた呼吸に紛れて消えてゆく。

 最悪だ。
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