この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
レッスンの仕方が間違っている!
第4章 3次審査まであと7日
「あ、おかえり。」

 こういうときって、どうすればいんだろ。

「あぁ。」

 椿は功の顔を伺いながら、水を飲んだ。
 珈琲は先程のままだ。
 功は返事をして席につき、残りの冷めたホットケーキに手をつけ始める。

「椿、今日は9:30からスタジオ借りてあるから。」
「え!?……わざわざ?」
「だったら一体何処でやるんだよ。」
「家とか?」
「カチャ……」
「……椿。」

 一瞬ナイフとフォークを握る手を止め、名前を呼ばれて椿はビクッとする。

「何?」
「何でもないっ。」

 拗ねたように、功はホットケーキに何もかけずに口にほおばった。
 ポットの蜂蜜はまだ半分残っている。

「功本当は甘いの嫌いじゃない??」
「椿こそ本当は苦いの嫌いじゃない??」
『……クスッ』
「何で笑うんだよ!」
「功だって!」

 椿はテーブルに乗り出し、食い気味に言葉を放った。
 功は悔しそうに椿の目を見る。

「……つか、よくわかったな。」

 恥ずかしそうにホットケーキを口に運ぶ。

「だって席立つ前、最初の1枚は珈琲挟んで食べてたから。最初は重度の珈琲好きかと思ったけどね。それに、戻って来てからはバターしか塗ってない。まぁ、塗れてないけどね。冷めてるか……」
「はいはい、そうだよ。急に喋るようになったな椿。つか、塗れてないは余計!仕方ないの!!」
「ぷっ・・・・・・あははっ。だってさっきから面白いんだもん。」
「で?椿、苦いの嫌い??どっちな訳!!」

 功がニヤニヤと企み顔で、椿を覗き込む。
 椿はちょっと馬鹿にして、余裕顔で切り返す。

「全然大丈夫~!珈琲は全般いけるからっ。」
「ふ~ん、じゃぁ何でこんな残ってんだぁ??」
「えーーーと~、それはぁ……」

 途端に椿の目が泳ぎ出し、明後日の方へ。
 顔もどんどん紅潮して行く。
 嘘がヘタ。
 実は本人それに気付いていない。

「……形勢逆転だな。」

 ニヤリとした笑みで椿のカップをプレートから奪う。

「ち、違うって!それは……そのっ、」
「ん?何が違うって~??」

 益々功は笑顔になる。
 益々椿は赤くなる。

「あぁ、そっか~。成る程……だからか~」

 意味深にうんうん頷きながら横目に椿は見られ、観念する。

「ぅ……あ、ちょっ、功!?」
/142ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ