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第4章 3次審査まであと7日

　ここからがやっと、超人気アイドル香川　功の苦悩の始まりとなる……

「あの～すみません。タオル、貸して貰えま……」
「はいどうぞ。」

　可笑しい。何で既に用意されてんだ!?
　つーかちゃんと湿ってるし。
　それより何だ、このウェイター達の笑顔。
　怖すぎる……!!
　何か窓際のヤツ等も此方見てないか??
　見られてたのか……!？って当たり前か！
　今更すぎる。
　正体はバレてないよな？
　これでバレてたらアイドル失格だ。
　男とスキャンダルなんて洒落んなんねぇぇぇえええええ!!!!
　俺のアイドル生命が絶たれる！
　だが男としてはもう終わったな。
　詰みだ、詰みｯ！
　俺はいーけど、椿がな。
　あーキモい、信じらんねぇ。
　昨日までの自分よ。
　好きって何だよ。
　触れたいとか。
　馬鹿椿……お前のせいだぞ!?
　責任とれよ！
　電話素になったのだって全部お前が悪いんだからな!!!?
　後で村上さんに謝らないと……
　仕事増やすなよ椿。
　楽しそうに踊りやがって!!
　のくせに、ウサギで……クマの○ーさんで……
　ギャップありすぎで、可愛すぎで!!
　ハマるから！
　たまに誘ってんの？ってなるしっ。
　レッスンは？
　今日だけ??
　明日の予定は？
　つか寝るなぁああーーー！

　そんな彼の心の叫びは届くはずも無く。

　あぁ……馬鹿は俺か。

「ｶﾗﾝｯ」

　ドアの音も周りの雑音も全部遠くに聴こえた。
　頭の中は、椿……お前だけ。