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レッスンの仕方が間違っている!
第7章 3次審査まであと4日
「あ!そうだった!!」

 六斗は立ち上がり、部屋の回線を繋ぎ通話ボタンを操作した。
 壁のモニターに1Fの店をバックに店員が映る。

「あのさ~、そろそろ受付辺りをKOUが通ると思うんだけど……何でもいーから上着、渡しといてくれない??」
「了解です。」
「じゃッ!また後で下行くから。」

-プツン……

 頑張れッ!!……青年よ。

 六斗は微笑んで、脱いだままになったKOUのYシャツを畳んだ。

 エレベータの前。
 功は六斗の前ではまだ平然を装えたが、此処に立つ時にはもう怒りを抑え切れなかった。

 椿が居るのは多分駅前だ。
 ったく何だよ……ッ
 あぁもうベーター遅すぎ!
 何でこの会社は階段無ぇんだ!?
 非常階段だけかっ!
 あぁ……早くしないと椿がヤバいんだ。
 俺にメールが着たのだって……

-ピンポン……

 来た!!
 遅いんだよッ!

 扉が開いた途端に片足を踏み入れたが……

「え!?ははっ裸ぇ…ちょ!!!?」「カシャッ」

 シャッター音と共に、驚きの声?いや、悲鳴があがる。

 くそっ今誰かの相手してる暇無ぇんだよ……

「って……えっ!KOU?何で半裸!?」
「それよりシャッター音だろ。相変わらずだな……拓さん。」
「シャッターチャンスは逃す訳に行かないからね。」
「何かキャラ違う?KOU。いつも敬語なのに……やっとタメにしてくれたん・・」
「雄さんはいちいちリアクション大きいから。つーか急いでるんで。」
「つれないのは相変わらずなんだ……てか何かっ、怒ってるっ!?」
「怒るKOUもいいねっ。また脱いでね?」

-ピンポン……

 会話が目まぐるしく進み、一瞬で断たれる。
 2人はエレベーターを降り、KOUが走って自動ドアに向かう姿を見ていた。

「今日のKOUはワイルドだったね。いいのが撮れた。」
「流石に半裸は捕まりそうだけど……ファンに。」
『あ……』

 2人の声が重なる。
 店員がKOUと揉み合っている。

『着れば良いのに。』
「あの子変な所で遠慮するよね。」
「うん確かに。まぁ~着たみたいだし、アイツなあ……いつか捕まりそうだよ。」

 雄哉の冗談は、冗談に聞こえなかった。

 椿っ……待ってろよ?
 今行くから。
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