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幸せのカタチ
第13章 機が熟す時

雅紀は雅紀で2年前辺りから怒るととても疲れると言う事に気づいたらしい。
確かに人間は怒ると五臓六腑を痛めると聞いた事があった。
なので、私は雅紀にこんな話しをした。
「人は怒ると毒を吐くらしいのよ…」
「それは、どういう意味?」
「人の怒りには毒素が含まれているらしいのよ…」
「それは、怖いな…」
ちょっと雅紀は怯えている様に感じた。
尚も私はこう言ったのだ。
「こんな実験をした人がいるのよ…」
「どんな実験?」
「一升瓶に普通に空気を入れて、そこに一匹のハエを入れるのね、そして蓋をするの…」
「それで?」
「蓋をすると普通の空気だとハエは約30分で窒息死するらしいのよ…」
「うん、それで?」
「でもね、怒った人の呼気を一升瓶に入れて同じようにハエを一匹入れると3分で死ぬらしいのよ…」
「それは、怖いね…」
「だから、怒ると人間は自分の身体を壊す様なのよね…だから、マサさんは怒ることをやめて良かったのだと思うわ…」
雅紀は感心した様にこう言うのだ。
「俺は、もう怒る事は疲れるからやめたんだよ…今はこうして未来さんと穏やかに話している方がずっと幸せなんだよね…」

