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幸せのカタチ
第15章 七夕

直ぐに雅紀は私のプレゼントである掃除機と小さなクーラーボックスを持ち階段を上がって来る。
私は開け放してあった玄関に入り直ぐに古い掃除機と壊れた椅子を雅紀に渡した。
それを素早くまた車に乗せていた。
私はそれを見るとこう言ったのだ。
「車停める土手の場所分かる?」
「え?分かんないよ…」
「なら、私が案内するわ、車に乗ってもいい?」
「あぁ、構わないよ、さ、未来さん乗って…」
私が車に乗り込むと雅紀は車を走らせる。
「そこ出て左に曲がって…」
左に曲がると小さな細い道路に出る。
その道路を渡ったところに線路の土手があった。
それを見ると雅紀はこう言うのだ。
「分かった、あの土手だよね?」
「そうよ、あそこに停めて置けば駐禁切られることはないから…」
車を停めると私たちは外に出た。
外は茹だるような暑さだった。
私と雅紀は二人で並んでアパートまで歩いて行った。
そして、階段を上り我が家へと私は雅紀を招き入れた。
雅紀は汗びっしょりの状態だった。
「さ、椅子に腰かけて、今お茶を出すわ…」
「ありがとう、喉が渇いてたから嬉しいよ…」

