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遠い記憶
第6章 再会
 秋になり稲刈りが始まった。今までは両親の手伝い程度しかしていない自分には中々しんどい作業だったが、姉がすこぶる働いてくれて、助かった。

秋の収穫も終わり、姉夫婦と子供達、母で夕食をした時、
「俺、思うんだけど、今の我が家の田んぼの面積じゃ、どうあがいてもプラスの収入にならないと思うんだ。そこで通年できる野菜の生産に変えようと思うんだけど。」
「何故?」
「俺は今勤め人だけど、いずれ母さんも働けなくなる。思い切って今の仕事を辞めて専業農家になりたいんだよ。そのためには稲作じゃあなくて
「そうだね〜、やってみたら!軌道なるまでは出来る限り応援するから。」
母も義兄も賛成してくれた。

秋の収穫後、自分は肥料会社、種苗会社等等の営業に声をかけて、色々な野菜農家の短期研修をお願いした。それだけではなく市場も視察出来るようにもお願いした。
11月から1月迄、自分が栽培したい作物を中心に現地研修をさせて貰い、栽培のノウハウを教わった。
2月に入ってからは市場の視察を行い、築地、大阪、北九州の市場を見て回り、最後に千葉にある市場を見て回った時だった。

「千葉県の野菜農家さんね〜。貴方の所と同じ規模農家・・・。そうだ!あの子なら分かるかなぁ? おお〜い!優香ちゃん!」
「は〜い!」
「この人に〇〇さんの野菜畑見せてあげてよ。こっちから電話入れておくから!」
「はーい、いいですよ!・・・あっ!」
「ゆ、優香!・・ちやん?」
「慎ちゃん!久しぶり!」

「なんだ、知り合いだったの? じゃああとは頼むよ。」

優香は、自分を車に乗せ目的の農家迄連れて行ってくれた。道中の話の中、家を出た後、やはり仕事には中々つけなかったが、スーパーの野菜売りで手が足りないからと住み込みで働き始め、その後、築地の市場で野菜のバイヤーの下でノウハウを学び、関東を中心に野菜の買い付けをやっているそうだ。 到着後、自分も色々聞かせて貰ったが、優香の方が質問は鋭く非常にまとを射た情報が聞けた。帰り道に

「今日、少し食事でもいいかなぁ〜?」
「うん!大丈夫!連絡するね。」
と名刺をくれた。

その名刺の苗字は小暮ではなく、佐藤になっていた。
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