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ーasahiー
第3章 猶予
《入社したらもっと驚くわよ》
姉さんの言葉が頭を過ぎる…。
時計を見るとまだまだ時間がある
俺は急いで立ち上がりトイレにむかった。
携帯を取り出し電話をかける…
「はぁ~い」
「姉さん…やってくれたね」
「あれ?ばれちゃった」
ケラケラと笑う姉さんは続けて言った。
「父さんがね…社長に頼んでくれたのよ
バカ息子ですがよろしく頼むって
その時に藤原さんを担当にって」
「そんなの通用しないだろ」
「あんたね、卑怯かもしれないけど
コネでも利用しなさいよ
普通に考えて次期社長のあんたが
普通に企業に就職するなんて難しいのよ
そこの社長だって気使うわよ」
「だからって…」
「父さんと社長の間で済んだ話に
余計な口出しすると面倒だし
有り難く藤原さんとお仕事しなさいよ」
「い…や…だからさ…」
「あんたん所の社長さんが
少しでも仕事できるようにしてから
お返ししますって言ってんだよ
恥かかせんな」
そう言い切ると一方的に
電話は切られた…。
その後詳しくきいたら
母さんが父さんに言ったらしい。
「藤原さんって方が社内じゃ
信用あるって聞いたわよ
担当付くならその方だと
旭が成長するんじゃないかしら」と
そこで父さんは社長に話したらしい…。
親のコネとか嫌いだし
そういう目で見られるのも嫌いだ。
だけど…
親に気にかけられていたと知った時は
正直嬉しかった。