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ーasahiー
第5章 確執
休日出勤だと鍵が開いてないから
唯一合い鍵のある社長室へ向かう。
あれ…鍵あいてる…?
「に…ぃさん…」
「旭か」
「何してるんですか?」
この人の顔を見ると不快感で
気分が悪くなる…
「それ…会社のパソコン…
勝手に触られたら迷惑なんですが」
「もー用は終わったし帰るよ
次期社長さん」
ヒラヒラと手を振り何事も無かったように
社長室を後にする兄さんは
鼻歌交じりに足をすすめる…
身内だというだけで
何も疑わなかった…
《待ってる》
修の言葉を思いだし
少しでも早く帰れるように仕事をすすめる…
あんな抜けたような人でも
さすが父さん…社長だな…
取引先リスト…
こんなに詳しく書かれてるんじゃ
俺する事ねーよ…。
「見やすくならんのか?
父さんも年だからな」
見やすくって…
老眼だろ…
俺は元のリスト表を見やすくする為
試行錯誤しながら作成する
確認の為父さんにデータを送る
~♪~♪~♪
着信《父》
「あ…見てくれた?
あれなら分かりやすくないですか?」
「さすが旭!月曜日からはあれに変えよう
社員のパソコンにもデータ送って欲しいから
月曜の朝1で頼むよ」
さすが旭…
最近父さんはよく誉めてくれる。
きっと…
少しだけかもしれないけど
俺を見てくれ始めたんだと思う…
「了解です。
そういえば…さっき兄さんがきてましたよ」
「京がか!!!」
珍しく慌てる父さんに疑問が沸く。
「なにか問題でもありましたか?」
「あ…いや…大丈夫だ
じゃぁ旭も仕事はそのへんにして
彼女と休みを楽しみなさい」
彼女か…
「はい…じゃぁまた月曜に。失礼します」
父さんのあの反応も
兄さんのことも
全く気にしていなかった…
そんな事よりも修の元に
帰る事で頭が一杯になっていたから…