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ーasahiー
第5章 確執



会社を出ると
携帯を弄りながら煙草を吸う
後ろ姿が目に入った…
静かに近づき背後から抱きしめる。



「待っててくれたんですか?」



「あぁ」



「ありがと」



強く抱きしめると
腰から回された手に手を重ねられ



「外だ…」



恥ずかしそうに言う修は
俺の指先を名残惜しむように触れ
身体を離した…



「車回して来るから
此処に居てくださいね」



足早に車に向かう途中
修が触れた指先が熱く
自身の指にもかかわらず口元に当てる


誰かが待っていて
こんなにも嬉しいなんて
初めてだな…




「修!乗って」

助手席の窓を開け呼び込む。


普段こうやって二人きりになっても
特に会話はなく
車内にはBGM代わりに音楽が流れるだけ。



「まだ時間早いし
ドライブでもしましょうか」



「あぁ」



左手を差し出すと
無言で右手が重なる…

恋人同士…
みたいだなんて喜んでいるのは
俺だけなんだろうな。



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