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ーasahiー
第5章 確執


「なぁ…」



「何ですか?」



「旭は…その…あれか…
今日みたいに待たれたら…
いやだったり…するのか?」



言葉を選びながらゆっくりと話す。
俯き加減に髪をクシャと弄り
その顔はうっすらと赤らんでいた…



「嬉しいですよ」



「そっか…ならいいんだ」



「ただな…」



「ただ…?」



「お疲れ様のチュが無かったのは
いやでしたね」



ふざけて言ったつもりだった…
期待なんてしていない…
なのに…


何も言わずに左頬に
ソッと唇を当てた…



「っ…修…あの…
そういうの反則ですよ…」



「反則?意味が分からんが
これは違うのか?」



「あーもー…
今すぐにでも襲いたくなるから…」



意味が理解できたのか
俺より顔を赤くさせ
窓の外に顔を背ける修は
小さな声で…



「あ…ごめ…ん」と一言。



目的地があるわけでもなく
ぶらぶらと車を走らせると
展望台が見えてきた…



「アソコで一服でもしますか?」



「あぁ…」



まだ恥ずかしがってる…
可愛いすぎるんだよな…
こういう反応されると
もっと苛めたくなる…



コーヒーを買い近くのベンチに座る。
眺めが良く風も気持ちがいい…

煙草を加える唇をジッと見つめれば
さすが大人だと思わせる仕草で
俺を釘付けにさせる…



「誰もいないですよ…」



「…?」



目を点にし不思議そうに見つめられる。



「ここは…誰もいないから…」


後頭部に手を回し
ゆっくりと顔を近づけ
鼻先が触れる所までいき



「修…修からして」



「なっ…っ…」




「おねがい…」




修は瞼を閉じ唇を押し当てる。
あ…煙草の味だ…
修の香りと混ざって鼻に抜ける。



「ンッ…チュ…クチュ…」



角度を変え唇を吸う…
歯列を割り口内へと侵入し
互いの唾液を交える…



「ァ…フッ…ンッ…」



隙間から吐息が漏れ
肩の力が抜けていく…



最後に軽く唇を吸い離した…。



「チュパ……」



「ンッ…ハァ…ハァ…」



暫く抱きしめ自然と離れる。
髪を整え目を合わせる事なく
景色を眺めた…



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