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ーasahiー
第7章 不安
「そんな訳でな…
うちの会社の顧客情報まで盗られて
同じように破談させようとした…
噂は嘘だとばかり思っていたが
まさかな…こんな形で真実を知るなんてな」
父さんは取引先に何度も頭を下げ
兄さんの事を謝っていた。
「まさか…兄さんが会社にいたのって」
「そうだ…顧客リストを盗んでいた
身内にまで手だすなんてな…」
なぜそうまでして…と
取引先の社長は言ったが
キモチ…分からなくもなかった。
期待が重かったんだと思う。
俺が疎ましく思っていた反面
そうでなければいけない事が
辛かったんだろう…。
「兄さんに会ってきます…」
今なら分かるんだよ
互いの辛さが…