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ーasahiー
第7章 不安
兄さんが家を出た後
メイドさんに連絡をし片付けを頼んだ。
書類などを整理しながら
業績を伸ばすのに必死だった事がよく分かった…
兄さんのやった事は勿論
信用を失う行為だけれど
次は俺が…
支えてやれたらと思う。
「もしもし…修?
もしかして起きてた?」
「あぁ…終わったか?」
「はい、今から帰るから
もう少し待っててくださいね」
「気をつけてな」
短い会話で済ませ車に乗り込む
時計を見れば日付が変わる頃だった。
「あ、父さん?
兄さんうちにきてる?」
「あぁ」
「ならいいんだ
後はお願いします。
俺帰りますね」
「迷惑かけた
気をつけて帰りなさい」
母さんの声が電話向こうで聞こえた
きっと兄さんと話してる最中だったんだな。
確かに甘えさせた父さんにも責任はある
けど…それは兄さんの弱さもあったはず
完璧じゃなくていい…
自分らしくいたい…。
それを気付いた兄さんとなら
壁を感じずにいられる。
今更かもしれないけど…
お互いを知られて良かったかもな…。
マンションに着きドアを開ければ
コーヒーの香りで迎えられ
愛しい人が待っていた。
「ただいま」
「おかえり」
悩みなど吹き飛ぶ位
修の淹れてくれたコーヒーが
おいしかった。