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ーasahiー
第8章 幸せ


涙が引く頃寝室にいき
力なく身体をベッドへと投げると


「そう無理をするなよ…」



優しい声色が頭上から聞こえた…



「分かってますよ?」



僅かに残った涙を指ですくい
頬を撫でる



「修…?」


瞼をあけ表情を読み取ろうと
暗闇の中目を凝らす


よほど不安だったのか肩の力が抜けた修は
縁に腰かけ力なく呟いた



「家族は大切にしろ」



きっと過去を振り返っているんだ…
じゃなきゃあんな顔しない…



「修…俺は家族ですよ」



気休めかもしれない。
そんな俺の言葉を聞くと
声を出して笑う…



「お前が言ったように
旭が旭で良かったよ」



「俺は、俺ですよ」



「あぁ…だからこんなにも
笑う事ができるよ」



「それが俺の幸せです」



「旭…ありがとな」



「今更」



ふっと笑って返せば…
髪に触れられ耳元を掠める…
ピクっと反応する身体を修は
抱き寄せた…



「半分にしよう」


「え…?」


「旭が辛い事も…俺が辛い事も…」


「修が辛い事は…全部もらいますよ?」



ぎゅっと力が込められ
俺も腰に手を回し抱きしめ返す…。



「じゃぁ…旭が辛い時は
俺が支えてやるよ」



どちらともなく…
唇が重なった…



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