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ーasahiー
第9章 挨拶
食卓に並べた夕飯を挟んで
向かい合って座る。
ビールを飲み箸を進めた…
「修がいやじゃなければ…」
「ん?」
「週末実家にいきませんか…?」
暫くの間沈黙が続き
食事も進まない。
そうだよな…
普通交際していて実家に行くとなれば
紹介って事になるもんな。
「ごめん。今の忘れてください」
「スーツがいいのか?」
「はっ?」
「いや、挨拶に行くんだ
やっぱりスーツがいいのか考えてた」
「ははっ…
いや普段着でいいですよ」
もう、笑いが止まらない。
行きたくないなんて事じゃなく
着ていく服を悩んでた間だったのかよ
クックックッ…
「何かおかしいか?」
「違う違う、修って可愛いなって。ハハッ」
箸を置き腹を抱えて笑った。
「父さんがね、
彼女連れてこいって言うから
修てっきり断るかと思って
そしたらまさかの服だもん
笑うしかないじゃないですか。
俺の悩みなんて小さいなって。」
「彼女じゃなくて申し訳ないが
それでも挨拶はしなきゃな」
「でも、修ネコだから彼女かな」
語尾にハートをつけて言えば
恥ずかしそうに
「俺だってタチできるんだがな」
って、ムキになって返してきた。
「いつか、俺の処女あげますよ」
「さ…さっさと食べろ」
益々照れて目も合わせない。
けどね、ネコとかタチとか…
相手が修なら俺どっちでもいいんですよ。