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ーasahiー
第9章 挨拶



「あのさ…俺も会話に入れてくれません?」


修の横に密着するように腰かけ
ふてくされた表情で顔を見る。


「旭、お前の家族皆いい方だな」


そんな風に笑われたら
ふてくされてた俺が子供みたいだろ。
ちょっと悔しくて
でも…すごく嬉しかった。



「藤原さん失礼ですが
今の会社をやめる気はありませんか?」


目を点にする俺たちをよそに
父さんは続けてこう言った。



「旭がこれから先社長になる為に
藤原さんが側で支えてくれませんか?
二人の信頼関係があれば
上手くいくと思ったんですが」



「父さん…今する話じゃないですよ
修…気にしないで下さいね」



「生涯旭といるようであれば
是非お願いしたい。」



「えっと…ですね…」



困った表情の修は暫く考え込むと
父さんの目をしっかりと見つめ



「旭とは生涯側にいたいと考えてます。
ですが…今の私には力不足だと。
もし、私が側で支えられる様になったら
もう一度その話をお願いできないですか?
それまで努力していきますので…」



「えぇ。その時にまた話ましょう」



満足げに答える父さんは
やっぱり嬉しそうだった。




日付が変わる前になり
帰り支度を始めていた時母さんが
修と俺にと言って小さな箱を渡した。


「帰ってからゆっくり見なさい」



にこやかに笑う母さんは修に近づき


「これからも、旭を宜しくお願いします
また遊びにきてくださいね」


丁寧に頭を下げ外まで見送りをしてくれた。



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