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ーasahiー
第9章 挨拶
お揃いのネクタイピンだった。
目立ちはしないが
小さな文字で修のにはasahi、
俺のにはshu-と書かれていた。
よく見なければ気付かないが
公には出来ない関係だから
こんな気遣いが嬉しかったりする。
修の箱の中にだけ手紙が添えてあった。
「修なんて書いてあるんですか?」
「秘密だ」
「えー俺の悪口でしょ?」
「お前って…やっぱり子供だ」
笑いながら手に持つ手紙を
大切そうに箱にしまい
「いつか教えてやる」
絶対俺の悪口に違いない!
みたら情けなくなりそうだから
みるのやめよ…。
「今度お礼言わなきゃな」
「はい」
翌日から俺たちはお互いのネームが入った
ネクタイピンをし出社した。
いつでも側にいる気がして
触れれば自然と笑みがこぼれる。