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ーasahiー
第10章 ライバル


深夜眠りに就いた頃携帯が鳴る
寝ぼけていたからか取る前に
コールが止まってしまった。

暗闇で着信を知らせる赤い点滅を眺めながら
携帯を手に取り相手を確認するが
知らないナンバーだった為
もとの位置に携帯を戻し
再度瞼を閉じようとした。


プルル~プルル~


またしても同じナンバーからの着信
一瞬は躊躇ったものの
通話ボタンを押し耳に当てる。



「はい」


「柚原君?」


深夜の電話でトーン高めの声に
苛つきを覚えたが冷静に返す。


「そうですが、どちら様ですか?」


「相良と言います」


此方とは違ってテンションが高く
相手は俺を知っている事に
気味悪く感じた。


「今藤原さんと出張を共にしてる者です」


一瞬で今日の電話の声を思い出した。
あいつか…


「藤原さんと俺と…柚原君が…
同類で嬉しくってね
話しがしたかったんだ」


「同類…?」


話しの主旨が全く掴めず
ただ修と関係があると思うと
下手に言う訳にはいかず…


「君が彼女なんだね~あ、違う彼氏かな
因みにどっちが女役?」


「本題を言えよ」


「あ~君が彼氏で藤原さんが彼女ね
柚原君そんな感じがするよ」


「聞いてんのか、おい」


苛立ってる事を何とも思ってない相手に
怒りが出て口調が変わる。
確実にいい話しじゃない事は確かだった。



「いつでも藤原さん襲う事も可能なんだけど
俺の本命は君なんだよね
君が了承してくれるなら…
彼女サンには手出さないよ~」


《襲う》


脳裏に過ぎったのは…
渚との事件後の修だった…



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