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ーasahiー
第10章 ライバル
この日も夜になれば修から電話がきた。
何もないみたいで安心した。
変わった様子もないし
俺も普通に会話をする。
ただ最後に一言だけを伝えた。
「万が一何かあったらすぐに電話して下さい」と
「何もないから大丈夫」
なんて笑ってるけどな…
すっげー不安なんだよ…
それから常に修の居場所が分かるように
GPSで確認をしていた。
次の日も…
また次の日も…
掛かってくる電話で修は何事もないと告げる。
仕事の話しをし何を食べたかなんて
くだらない話しもし
最後には同じ事を言う。
「何かあればすぐ電話して下さい」と。
木曜の夜になれば
「明日出張終わったら直帰するから
夕飯はどこかに行こう」
修から誘われた。
だがアイツも帰ってくる…
返事に困っていると
「5日も会わなかったのに
寂しいとか言わないんだな」
寂しそうに呟かれた。
「寂しいですよ
でも我が儘言ったら修困るでしょ?
帰ってきたら沢山我が儘言いますからね」
我が儘言えたらいいな…
正直寂しいさよりも不安が強く
寂しがっている余裕がなかった。
ただ修に何もなければソレでいい。
そればかりが頭にある。