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ーasahiー
第10章 ライバル
修が出張に出てからほぼ寝れていない。
疲労が溜まり苛立ちから
煙草の本数も増える一方だ。
何より寝れない理由は
修から電話が来ないか不安だったから。
何かあった時直ぐに駆けつけれるように
起きて携帯を見てめていた。
俺はどうなってもいい。
でも修だけは守らなきゃ。
金曜の夕方になり
新幹線の駅まで迎えに行った。
「おかえりなさい」
照れくさそうに片手をあげ
俺の所に歩み寄る大切な人。
「ただいま」
その後ろでにこにこと笑うアイツが相良か。
「はじめまして相良です」
白々しくはじめましてとか言いやがる。
拳に力を込め耐えた…
修が荷物を積んでいる最中
ソッと俺に近づき
「夜中に電話するね」と告げ帰って行った。
「食べて帰りましょうか」
「あぁ、そうしよう」
何事もなかったように
夕食を食べ家路に着く。
よほど疲れていたのか修は
すぐに眠りに就いてしまった。
深夜日付が変わった頃
一通のメールが届く。
名前の表示はされないが一目で分かる。
相良だ。
「駅前◯◯ホテル◯◯号室」
それだけ書かれてあれば
いやでも分かるだろう。
支度をし、置き手紙をし家を出た。