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ーasahiー
第10章 ライバル

指定された部屋の前。
だいたい何されるか予想はつく…
だから犯られる前にやる。
拳に力を込め息を整えドアノブを回した…
静かな通路にガチャと鈍い音が響く。


「早かったね」


薄暗い部屋にスーツのままで
椅子に腰掛け足を組む。

部屋は煙草の臭いが残っており…
異様な雰囲気が漂っている。



「何が目的だ」


威圧するように見下ろし
普段は出さないような低いトーンで
言葉を投げかける。



「君だよ」


ふざけた様に笑い
物色するような目つきで
下から上へと視線を移す。



「何故俺をしってる
お前とは課も違ったし
話した事も無かっただろ」



「自覚ないようだけど
君社内では目立ってたからね~
女の子にキャキャ言われて
そっち側の男からも結構評判よくてさ~
でも1年で辞めたから残念だったよ。
俺そっち側の男だからね。
そしたら藤原さんのネクタイピン見て気付いちゃった。
asahiって…確か君の担当藤原さんだったよね?
もしかして?藤原さんもこっち側かな?って
だーかーらー、どうやって藤原さんを使って君を誘き出すか考えてたらさぁ~!!まさかの出張だよ。もう絶好のチャンスだからね。」



「よく動く口だな」



「知りたかった事だろ」



「で、どーする気?」



「そりゃぁ、カラダの関係目当てだからね~」



立ち上がり肩を撫でられ
胸に手が下がってくる。



「触んな」



修以外興味もければ
修以外考えられない。
元々ノーマルな俺からしたら寒気しか感じない。



「大切な彼女守るんじゃなかったの?」



「俺とやりたいのか?」



「君の喘ぎ声が聞きたいね」



「ふざけんなよ
お前相手じゃ立たねーよ」


別に声をあらげる訳でもなく
冷静に会話をする。
ただ攻撃的な態度は出ていただろう。



「ためしてみなきゃ分かんないだろ」


そう言って近づき背伸びをした相良は
唇を近付けキスをしようとした
が…出来なかった。

旭の目付きに殺気を感じた。
相良を見下し無言のまま立つ旭は
拳を握り備える。



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