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ーasahiー
第10章 ライバル



どれ位経っただろうか
お互い無言のまま時間がすすみ
先に口を開いたのは修だった。



「お前が辛い事は俺も辛いから…
無茶しないでくれ。
守ってくれたからな…感謝はしてる
でも、お前がよくても俺は苦しい…。」


「そうですよね。すみません…」



きっと立場が逆なら
俺も同じように思ったと思う。
自分を守る為に犠牲になって欲しくないと。
けど修だって…
同じ様に犠牲になったと思う。



「心配かけるな…
お前がいなくなったら俺は…っ」


「大丈夫。俺はここにいますから」



修を抱きしめ何度も呟く。

「本当にごめん」と…。




「本当に身体は平気か?」

心配そうに頬に触れる。
その手は暖かくて心地良かった。


「はい、すっかり元気ですよ」

安心させようと笑って見せる。
本当は身体は怠く色んなところが痛むけど…



「コレ…どうした…やられたのか?」


両手の甲に無数にある爪跡…
血が乾き痛々しい…


「あぁ…なんと言うか…
気抜いたらやばいから…
頭クリアにするために、ね?」


「自分で…?」


「あ…は、はい…。」



優しく手を握り傷跡を見つめ唇を当てた…


「修…?」


「手当しなきゃな」


悲しそうな表情のまま
救急箱の中から消毒やガーゼを取り出し
器用に手当を施す。


「ありがと」


無理にでも笑顔を作って言えば


「お前が一番辛いのにな」


そう返されたら…
何も言えないじゃん…



「もぅ…忘れませんか…?
未遂で済んだんだし
修に何かあった訳じゃないから…
後は俺が相良潰して終わりです。
ね?修が悲しそうだと
やっぱり辛いんですよ」



胸が締め付けられるように痛いとはこのことだ。



「あぁ…」


きっと納得はしてないが
返事を返す修はやはり大人だと感じた。



「俺達は…仲良くしましょ?」


「あぁ…」


「修…?」


「何だ…?」


「ギュってしませんか?」



何かする訳じゃなく
ただ抱き合って朝を迎えた。



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