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リクエストのラストワルツ
第1章 意外な出会い

いつか来る別れは覚悟していた冴子だったが、さすがにそのダンス教室には2か月ほど通うことができなくなっていた頃、彼女の前に患者として現れたのが慎也だった。
受付で垣間見たシートにはきれいな字で久松慎也、23歳と書かれていて、近くの名の通った会社に入社まもないとわかったが、ひとまわりも若い男にしては珍しい憂いを感じる物静かさが妙に冴子の気を惹いて、治療を行なっている間も無意識に彼の肩に触れてしまう自分の胸に普段とは違う小さな高揚感を覚えるのだった。
(もしかして彼は何か感じてたのかしら…)
ワンルームのマンションで部屋着に替えながら冴子はふとそんなことを思った。
(今度来たときはもっと強く押し当ててみようかな…)
歳下の男に対する悪戯心が芽生え、ブラジャーを取った胸に思わず手を当ててみると、掌の中でわずかに先端が膨らむのを感じる。
親指と人差し指の間のやわらかい股で挟んでいるうちに少しずつその膨らみが固さを帯びていくとさっきまで頭にあった慎也のことが、別れた彼の指の動きや耳元での熱い息遣いの記憶に変わっていく。
(いやだわ… わたし…)
先を急ぐように、胸から離れた右手はショーツをくぐる。
(もう濡れてる…)
立ったままで人差し指と薬指で花弁を開き、中指で小さなつぼみをこするとあとはもういつもの坂を駆け上がるだけ。
(あ… いきそう… い、い、いく!)
もたれていた壁から背中が浮いて、冴子はひとり達した。

