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リクエストのラストワルツ
第5章 台風の夜

「何見てるの?」
「館山の行き方調べてるんです」

 相変わらず冴子に対しては丁寧語で話す慎也である。

「PC使えばよかったのに… 電池なくなっちゃうわよ」

 そう言ってからケーブルを渡した冴子は、そのまま彼の首に抱きついて唇を合わせた。

「今夜はいっぱい時間あるわね… うれしいわ…」
 
 唇を離した冴子が顔を寄せたまま慎也の耳にささやきながら、手を腰に回してくると彼もそれに応えるように冴子の腰を抱き、再び今度は強く唇を重ねて舌を絡ませた。
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