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リクエストのラストワルツ
第6章 海を見ながら

「あ…」

 胸を触られているうちに、揺れながら膨らみかけていた慎也のそれは、冴子の手に握られてたちまち固さを取り戻していく。

「すごい…」

 体を起こした冴子は片手で慎也の胸をそっと撫でながら、顔を彼のものへ近づけた。

「キスしたい…」
「え?」

 慎也はすぐに意味がわからなかったが、冴子は彼の脚の間に体を滑り込ませると、自分の脚の上に彼の脚を開かせて乗せた。
 浅い寝湯の中で水面に漂う茂みの中から屹立して顔を出した慎也のものを冴子はいとおしそうに口に含んだ。
 半分ほどをくわえて冴子はゆっくりと顔を上下に動かしながら、親指と人差し指でくるんだ根元をしごく。

「ああっ… さえこさん…」
 
 冴子の唾液が溢れ出る淫靡な音と水音が水面に広がっていく。

「きもちいい…」

 冴子が上目遣いで慎也の顔をうかがった。

「さえこさん…」

 唇が上下を繰り返し舌先で先端をくすぐるようにされた慎也は、ついさっき寸前で抑えたその瞬間にたちまち引き戻された。

「しんやくん… いって…」

 息継ぎのようにして唇を離した冴子が、そそるような甘く濡れた声でささやき、慎也の眼を見つめながらこすりあげる指の動きを一段と速め、もう一方の手が根元の袋をそっと包んだ。

「さえこさん… いっちゃう… でちゃう…」
「しんやくん、いって! いっぱいだして!」

 慎也の腹筋が一瞬締まったように見えた。

「いく、 あ… い、いくっ!」
「ああっ… すごい、すごい…」

 水面を激しく揺らしている手の動きがさらに速さを増し、袋を握る手の指先が菊の門あたりを撫で上げた瞬間、慎也を握る指の間から激情のほとばしりが繰り返し星の瞬く宙へ放たれ、感動する冴子の声とともに音を立てて水面へと落ちた。

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