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第1章 誘い

舞さんは2人の注文を取る。
私は舞さんの卵型の顔を見つめ、彼女も日焼けしていることに気が付いた。
「もしかして…智恵さんと沖縄に行きました…？」
と思いついたことをそのまま口にした。

舞さんはふっと微笑み、その力のある目で私を見つめた。
「鋭いですね…はい…智恵の傷心旅行に付き合いましたよ…」
そう言うと、私の表情の変化に気付き、舞さんは智恵さんをちらりと見つめ、この場を離れようとしていた。

隣に座る智恵さんの声がした。

「私ね…先月、離婚したの…」
智恵さんはカウンターに両肘を置き、私に顔を向けていた。そう話す彼女の表情はスッキリとしていた。そこまでに到る過程を思い出すように、彼女はため息をつき、肩の力が抜けていた。

私は「そうだったんですね…」と当たり障りのない返事をした。