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第2章 阿吽（あうん）の呼吸

彼女の両手が私の首に伸び、私は彼女の体を抱き寄せた。互いの体が、ほっとできる心地のよい幸福感に包まれ、2人はふっと微笑み合った。キスの幸せな音が、ほっと一息つける呼吸が、穏やかに語り始めた2人の時間を、静かにカウントしているようだった。

2人は仕事の時の軽妙なトークを通じて、互いの会話のリズムをよく理解していた。今は自分の意見を言える時、今は相手の意見やアドバイスを受け入れるべきと。それは互いの距離が縮まっても変わらなかった。

触れ合う唇から、絡み合う舌から互い温もりが、濃密な会話を望む気持ちが伝わり始める。互いの新しい関係性を確かめ合うように、優しく唇に触れれば、それを相手に返し、舌がそっと絡まれば、続いて相手の舌に絡ませ、戯れているようだった。まるで智恵さんと一夜の夢を結ぶような気持ちだった。