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第1章 百合の華は永遠に

「…で。どうすんのよ？」

「どうするって…どうしようもないじゃん…決まってるし。」

「意外と強引なのね、お父さん。」

芽衣子の言葉に私はため息をついた。

明後日は父親の勝手にセッティングしたお見合いだ。
私も疲れていたから、適当にお母さんに返事をして会うだけ会うことになってしまったのだ。

（どちらにしろどこかの男に嫁にやるなら、俊介とさせてくれても良いのに・・）

私は芽衣子と別れて自分の家に戻った。

今は一人暮らしをしている。
職場に近いほうが良いということで、マンションを借りていた。

エレベーターのボタンを押して１０階に付く。
鍵を取り出しながら家の前に行くと、男がドアの前で座り込んでいた。

「…しゅっ俊介？！どうしたの？！」

私が慌てて向かうと、俊介が暗い顔をして立ち上がった。

「百合ちゃん…」

「くるなら連絡してよ！」

私はすぐに鍵を開けて扉をあけた。

「入って。」

今まで急にくるなんてなかったのに、暗い俊介の様子を見て、私はちょっと嫌な予感がした。