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百合の華は永遠に
第4章 私と彼の8日間~新たな敵~
「バカなの?僕だってイヤだよ。勿論梓と僕、キミと北村さん、のつもりだよ。」
「..え?」
カシャーン
里が仲居さんの用意してくれていた湯のみを落とした。
「さ、里っ!火傷してない!?」
慌ててハンカチで服を拭こうとすると、カクカクと頷いた。
「だ、だだだだだ大丈夫だ!」
田所くんは顔をほんのり赤くしている。
その様子を見て、マサキ君がぽかんとした。
「..もしかして..まだシてー」
「ま、マサキ君!観光っ観光しよ!」
生々しい話題になりそうで、急いでマサキ君の腕をとる。
「え、観光?あ、いこうか。」
「うん!ね、二人も!行こー!」
「あ、ああ。」
「....」
まだ固まっている里を引っ張り立たせ、私たちは旅館を出た。